「不動産投資の利回りってどれくらいが目安なの?相場や平均は?」
「利回りってどうやって計算するの?実際の収益とは違うって本当?」
といった疑問をあなたはお持ちではないでしょうか。
そのような方向けに、この記事では不動産投資の利回りについて解説してますので、ぜひご覧ください。
以下の目次から気になる箇所に飛ぶこともできます。
不動産投資の利回りの種類と計算方法【シミュレーションツールも紹介】
不動産投資で利回りと言っても主に以下の4種類があります。
- 表面利回り(グロス)
- 実質利回り(ネット)
- 想定利回り
- 現況利回り
「利回りが10%」と言っても経費を差し引く前の利回りなのか、差し引いた後の利回りなのかで得られる収益は大きく変わってくるため注意が必要です。
ここからは4種類の利回りそれぞれについて意味と計算方法、留意点を、最後にシミュレーションツールを紹介していきます。
表面利回り(グロス)
インターネットや販売図面で掲載されている利回りのほとんどが「表面利回り」であり、グロスとも呼ばれます。
これは家賃収入を物件価格で割ったものであり、管理費などの諸費用は考慮されていません。
そのため表面利回りは高くても、諸費用を考えるとお得とは言えない物件が多々ありますので、次で紹介する実質利回りを見ることをおすすめします。
実質利回り(ネット)
実質利回りは家賃収入から物件の運営に要する費用を差し引いた額を、物件価格で割ったもので、ネットとも呼ばれます。
物件の運営に要する費用としては管理費や修繕費などが挙げられます。
表面利回りとは違って、実際に得られる利回りが分かる点が優れています。
しかし、どのような費用を、どのような金額で計算するかは個々人の裁量によりますので、悪質な不動産業者が意図的に実質利回りを高く見せることができる点に注意しましょう。
想定利回り
想定利回りとは現在空室が生じている場合などに用いられる利回りです。
その名の通り、空室ではあるものの入居者が入ると思われる家賃を想定し、それをもとに算出した表面利回りです。
新築でこれから入居者を入れる物件や古い物件で空室が多い物件で使われることが多く、あくまでも想定であるため、想定よりも低い家賃でしか入居者が見つからない可能性があることに注意しましょう。
相場よりも高い賃料で想定利回りを出し、いずれも「入居申し込みあり」としている不動産業者は要注意です。
「入居申し込みあり」としているものの、実際に入居しているわけでも賃貸借契約をしているわけでもないため、想定利回りが担保される可能性は低いです。
いまだにこのような悪質な手口を使う業者は有名ポータルサイトなどにも存在しているため、注意しましょう。
現況利回り
現況利回りは想定利回り同様に空室が生じてる際などに用いられる利回りです。
入居者がいる部屋の賃料の合計(つまり空室の部屋の家賃は含めない)を物件価格で割ったものです。
利回りのシミュレーションツール(ウェブアプリやExcelなど)
利回りは掲載方法が分かっていれば電卓などでも計算できますが、実質利回りを精度高く計算したい場合などはシミュレーションツールを活用すると良いでしょう。
おすすめは”Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて”の読者特典ツールです。
著者は2020年9月時点で保有不動産の時価が100億円を超える不動産投資家です。
不動産投資の収支シミュレーションツール(フォーマットはExcel)が特典としてついており、本の中ではツールのロジックについて解説してます。
ウェブで無料で利用できるシミュレーションツールよりもロジックがしっかりしてますので、ぜひ参考にしたいツールです。
不動産投資で失敗しないための勉強方法【不動産投資家&業者が解説】
※筆者なりのロジックで、家賃下落率などは考慮されていないため、そのような点が気になる方は自分なりにこのツールを改修するとよいでしょう
家賃下落率なども考慮した高度のシミュレーションをしたい場合は、複数の金融機関でも利用されているAIツール「Gate」などを利用するとよいでしょう。
不動産投資の利回りの平均・目安・最低ライン(区分マンション、一棟アパート、一棟マンションなど)
不動産投資において利回りは収益性を図る重要な指標の1つです。
そして利回りの相場がどれくらいなのか、どれくらいが最低あるべき利回りなのか気になる方は多いでしょう。
利回りは物件種別(区分マンションか一棟アパートかなど)や、築年数、地域、立地などによって大きく異なります。
時代によっても相場は異なりますので、常に最新の情報をアップデートすることが望ましいです。
最新情報を得る方法としては健美家が出しているレポートが参考になるでしょう。
このレポートでは物件種別や築年数、地域ごとのポータル掲載価格や利回りなどが発表されています。
築年数を見る際のポイントについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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利回りを見るときの注意点
利回りの種類について説明した際に述べた内容と重複する内容もありますが、利回りを見る際の主な注意点を紹介します。
主な注意点としては以下の6点となります。
- 現況や想定の家賃が相場と比べて割高なケースがある
- 現況や想定の家賃が相場と比べて割安だったり、上げられる可能性が高いケースもある
- 利回りが高くても借り手がいない、売却時に買い手がいない物件に注意
- 表面利回りだけでなく経費率も見る
- 大規模修繕など購入後に大きな費用が発生するケースもある
- 資産価値が減りにくい物件であれば低利回りでも買った方が良いケースもある
それぞれについて詳しく説明していきます。
現況や想定の家賃が相場と比べて割高なケースがある
現況や想定の家賃が相場と比べて割高であり、それゆえに利回りが実際よりも高く見えることがあります。
このようなケースが生じる理由は主に2つです。
1つは何かしらの理由があって今の相場よりも高い賃料で借りている人がいるからです。
その理由としては家賃が高い新築時から長年住んでいることや、利回りを高く見せるために知り合いなどに協力してもらって高い賃料で入居させていることがあります。
後者は知り合いに頼んで高い賃料で住んでもらうケースや、住んでもらった場合にギフトカードなど経済的な報酬を入居者に与えているケースがあります。
2つの理由は想定賃料として意図的に高い賃料にしているからです。これは想定賃料について説明した際の内容と同様です。
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現況の家賃が相場と比べて割安だったり、上げられる可能性が高いケースもある
現況や想定が相場よりも割高なケースと反対で、相場よりも割安なケースもあります。
利回りを一見すると魅力的に見えずとも、レントロールを見て現況や想定よりも高い家賃で貸せることに気づければ、魅力的であることが分かる物件が存在します。
現況や想定が相場よりも割安な理由としては前のオーナーが入居者探しの手間をかけたくなく安い賃料で募集していたことや、前のオーナーが賃貸仲介を依頼している会社が相場を正確に把握できておらず、安い賃料で募集していることがあります。
利回りが高くても借り手がいない、売却時に買い手がいない物件に注意
利回りがいくら高くても、借り手がいない物件であったり、売却時に買い手がいない物件には注意しましょう。
借り手がいない物件であっても家賃を低くすれば借り手が見つかるものですが、それでは利回りが低くなってしまい、魅力的な物件ではなくなってしまいます。
そのようなことにならないためには、物件が位置する地域や立地の賃料相場などを適切に把握しておく必要があります。
また、売却時に買い手がいない物件の特徴は借り手が見つかりにくい物件であることや、融資がつきにくい物件です。
後者は具体的には築年数が古すぎる物件や再建築不可、借地権の物件などが該当します。
表面利回りだけでなく経費率も見る
実質利回りの説明した際の内容と重複しますが、表面利回りでは管理費や修繕費といった経費が勘案されていません。
そのため、経費率(家賃収入に対する経費の割合)の大きさも見たり、実質利回りも見るようにしましょう。
大規模修繕など購入後に大きな費用が発生するケースもある
購入後に大規模修繕といった大きな費用が発生しないかを購入前に確認しましょう。
もし発生する場合はその費用も含めて物件が魅力的なのか、そうでなければ値引き交渉することを考えるとよいでしょう。
資産価値が減りにくい物件であれば低利回りでも買った方が良いケースもある
不動産投資は売却時に確定する最終損益で成否が分かれます。
利回りが低い物件であっても、購入時と売却時の価格が変わらない≒資産価値が減りにくい物件であれば、賃料収入分だけの利益を得ることができます。
そのため物件を見るときは利回りだけでなく資産価値の減りにくさ(土地としての価値の高さなど)についても見ることをおすすめします。
不動産の利回り相場の調べ方
この記事では最後に不動産の利回り相場の調べ方を紹介します。
相場と言っても現在の相場が気になる人もいれば、過去からの相場推移が気になる人もいると思いますので、両方について調べ方を紹介します。
現在の利回り相場
現在の相場を把握する主な方法としては以下の3つがあります。
- 不動産業者に聞く(購入の面談時や売却査定時など)
- 売り出し物件から掴む(ポータルサイトの新着掲載物件を毎日見るなど)
- 相場に関するレポートを読む(健美家のレポートを見るなど)
相場把握の精度を高めるためには常に3つの方法で相場を把握し続けることを推奨します。
利回り相場の推移
現在だけでなく過去からの利回り相場の推移を把握する方法は、現在の利回り相場を把握する方法と同様です。
しかし不動産業者や自分自身も含めて人間の記憶はあいまいなことも多いため、相場に関するレポートを読むことを推奨します。