「購入しようとしている物件の賃料が相場と比べて適切なのか知りたいが、賃料相場はどうやって調べたらよいのか?」
「なるべく高い賃料で貸したいが、いくらまでであれば貸せる可能性があるか?」
といった疑問をあなたはお持ちではないでしょうか。
そのような方向けに、この記事では賃貸物件の家賃相場の調べ方について解説してますので、ぜひご覧ください。
以下の目次から気になる箇所に飛ぶこともできます。
家賃相場を知る必要性
この記事を読んでいる人は何かしら理由があって家賃相場を調べようとしているはずです。
しかし、人によっては家賃相場を調べる必要性を狭く捉えている人もおり、念のため必要性を解説します。
(「そんなこと知ってるよ」という方は読み飛ばしてください)
家賃相場を知っておく必要がある主な理由は以下の通りです。
- 物件を割高で購入しないため(現状や想定家賃が相場より割高なことに気づくため)
- 所有物件が空室になった際に短期間かつ高額で貸すため
- 物件を割安で売却しないため(なるべく高い家賃で貸し、これを収益還元法で計算した価格で売るため)
それぞれについて詳しく説明していきます。
物件を割高で購入しないため(現状や想定家賃が相場より割高なことに気づくため)
物件を購入する際に利回りを見て割安か割高かを判断する人は多いと思いますが、利回り算出の基となっている家賃が相場と比べて適正かを確認する必要があります。
現在住んでいる人が相場よりも割高な賃料である場合、退去時はその額から下げた賃料でしか入居者が見つからず、利回り通りの収入が得られないリスクがあります。
また、空室の想定賃料についても、相場よりも割高な場合は購入後に低い賃料でしか入居者が見つからないリスクがあります。
所有物件が空室になった際に短期間かつ高額で貸すため
不動産投資で収入を得る方法にはインカムゲイン(簡単に言うと家賃収入)とキャピタルゲイン(簡単に言うと売却益)があり、インカムゲインを多く得るためには空室期間を短くすることと、高い賃料で貸すことが重要です。
賃料が安すぎると空室期間は短くなりますが収入が減り、賃料が高すぎると空室期間が長くなりその分収入が減ります。
そのため、相場を把握したうえで賃料設定することが重要となります。
物件を割安で売却しないため(なるべく高い家賃で貸し、これを収益還元法で計算した価格で売るため)
不動産投資用の物件価格は基本的に収益還元法で算出されます。
収益還元法では年間賃料収入を相場利回りで割って算出するため、賃料が高ければ高いほど売却価格も高くなります。
なるべく高い価格で物件を売るために、相場よりも割安ではない賃料で貸すことが重要となります。
家賃相場の調べ方
ここからは家賃相場の調べ方について紹介します。
代表的な調べ方と、その参考になる度合いは以下の通りです。
- 不動産ポータルサイトの相場情報<間取りや駅、市区町村別>を見る(参考度:低)
- 不動産ポータルサイトに掲載されている物件を見る(参考度:中)
- 物件があるエリアに店舗を構えている不動産賃貸仲介業者にヒアリングする(参考度:高)
それぞれについて詳しく説明していきます。
不動産ポータルサイトの相場情報<間取りや駅、市区町村別>を見る(参考度:低)
簡単かつすぐに大まかな家賃相場を調べる際にはSUUMOやHOME‘Sといった不動産ポータルサイトに掲載されている相場情報が便利です。
例えば、「○○駅の1Kの家賃相場」など、間取りや駅、市区町村別での情報を簡単に取得できます。
しかし、駅や間取りでひとくくりにされており、調べようとしている具体的な物件とは異なる特徴を持つ物件も含めた相場であるため、参考になる度合いは低いです。
相場情報を掲載しているポータルサイトの代表例としては以下があります。
- SUUMO
- HOME‘S
- CHINTAI
SUUMO
SUUMOの「全国の家賃相場・賃料相場情報」では地図や沿線から、特定の地域の家賃相場を間取りごとに知ることができます。
HOME‘S
HOME‘Sの「家賃相場」はSUUMO同様には地図や沿線から、特定の地域の家賃相場を間取りごとに知ることができます。
CHINTAI
CHINTAIの「家賃相場から探す」もSUUMO同様には地図や沿線から、特定の地域の家賃相場を間取りごとに知ることができます。
不動産ポータルサイトに掲載されている物件を見る(参考度:中)
不動産ポータルサイトの相場情報よりも参考になる度合いが高い調べ方としては、ポータルサイトに掲載されている物件と相場を調べようとしている物件を見比べることです。
相場を調べようとしている物件と同じような条件(間取りや最寄り駅、駅徒歩、設備など)で調べることで、募集されている同じような物件と比べて自分の物件が割高・割安か、魅力的かそうでないかが分かります。
その際にはSUUMOの「賃料・設備相場チェッカー」が便利です。
賃料・設備相場チェッカーでは間取りや最寄り駅、駅徒歩、設備などでの賃料相場や現在募集されている部屋の情報を確認できます。
しかし、同じような物件でも現地を見ないと分からない「賃料に影響する違い」がある可能性もあること(例えば同じ建物に騒音を出す人がいること)や、募集の賃料であって成約した賃料ではないことに留意が必要です。
物件があるエリアに店舗を構えている不動産賃貸仲介業者にヒアリングする(参考度:高)
相場を知るうえで最も参考になる可能性が高い方法は、相場を調べようとしている物件が位置する地域に店舗を構えている不動産賃貸仲介業者に聞くことです。
このような業者は日々接客する上で「どのようなスペック(間取りや駅徒歩など)であれば、いまどれくらいで貸せるか」を毎日肌で感じ取って把握しています。
しかし注意点としては、来店者数が少ない不動産業者ですと最新の相場を把握できていない可能性があるため、なるべく来店者数が多い業者にヒアリングするとよいでしょう。
家賃相場を調べるときの注意点
家賃相場を調べる際に注意が必要な点として主に以下3点があります。
- 家賃に影響を与える要素は面積・駅徒歩・築年数・階数・礼金の有無・周辺環境など多々あるため、絶対的な相場は存在しない
- ポータルサイトに掲載されている物件は未成約の物件である
- 繁忙期(1~3月や9,10月)は成約賃料が上がりやすく、閑散期(7,8月)は成約賃料が下がりやすい
それぞれについて詳しく説明していきます。
家賃に影響を与える要素は面積・駅徒歩・築年数・階数・礼金の有無・周辺環境など多々あるため、絶対的な相場は存在しない
家賃相場を調べる際は、相場を調べようとしている物件がいくらで貸せるかをなるべく正確に知りたいものです。
しかし、実際は募集してみないことには思った家賃で入居してもらえるかは分かりません。
ですので、正確に知ろうとすることに時間をかけすぎずにX円~Y円の間といった幅で相場を把握して、その幅の最大値で募集し、なかなか入居者が見つからなければ下げていくという形で募集するとよいでしょう。
築年数を見る際のポイントについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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ポータルサイトに掲載されている物件は未成約の物件である
ポータルサイトに掲載されている物件を見ながら相場を把握する際は、掲載されている物件はあくまでも募集中の家賃であり、成約した家賃でないことに留意しましょう。
つまり、募集中の家賃より高い家賃で成約するケースは少ないですが、低い家賃で成約するケース(募集しても入居者が見つからず値下げするなど)は多いことに注意しましょう。
繁忙期(1~3月や9,10月)は成約賃料が上がりやすく、閑散期(7,8月)は成約賃料が下がりやすい
転勤や進学などによって借り手である需要が増える1~3月や9,10月は比較的高い賃料でも借り手が見つかりやすいです。
一方で、借り手が少ない7,8月は比較的低い賃料にしないと借り手が見つかりにくい傾向にあります。