「何度断っても不動産投資の勧誘が続くがどうにかならないのか」
「不愉快な勧誘をしてくる不動産業者に制裁を下したい」
といった疑問・苛立ちをあなたはお持ちではないでしょうか。
そのような方向けに、この記事では不動産業者のしつこい勧誘を撃退し、彼らにペナルティを課す方法について解説してますので、ぜひご覧ください。
以下の目次から気になる箇所に飛ぶこともできます。
不動産投資の悪質な勧誘に関する相談は20代で増加傾向にある
この記事をご覧になっている方は、一度は不動産投資の勧誘で不愉快な経験をされた方だと思われます。
国民生活センターや消費生活センターへの不動産投資に関する相談件数は減少傾向にありますが2018年度だけでも1350件あり、泣き寝入りし相談していないケースも勘案するともっと多くの方が不動産投資のトラブルについて相談したいと思っているでしょう。
そのため、自身がトラブルに巻き込まれないように注意が必要です。
20代の方は相談件数が増えており、特に注意が必要です。
トラブルに遭わないためには、不動産投資に関する悪質な勧誘の手口を知り、悪質な不動産業者からの勧誘を断ることが重要です。
これらについて次の段落以降で詳しく説明していきます。
多くの人が引っ掛かりやすい要注意な勧誘手口
不動産業者の中にはお客の利益よりも自身の利益を優先し、詐欺または詐欺まがいの悪質な勧誘をする業者が存在します。
そのような勧誘に引っかからないためには、悪質な手口を知っておくことが重要になります。
代表的な悪質な手口としては以下の2つがあります。
- 物件を実際よりも良く見せようとする
- 対面で圧力をかけてくる
それぞれについて詳しく説明していきます。
物件を実際よりも良く見せようとする
お客の利益よりも自身の利益を優先する不動産業者は、物件を実際よりも良く見せようとしてきます。
これに気づけずに購入してしまうと、予期せぬ費用・トラブルが発生するため注意が必要です。
特に注意するポイントとしては以下の3つに注意しましょう。
- メリットばかりを強調し、デメリットを隠していないか
- メリットに聞こえる勧誘トークは信憑性があるか
- 収支シミュレーションは信憑性があるか
それぞれについて詳しく説明していきます。
メリットばかりを強調し、デメリットを隠していないかに注意
悪質な不動産業者は物件のデメリットを隠して、メリットばかりを強調します。
しかし、どんな物件にもデメリットはあると思った方がよいです。
デメリットについて自ら言及しない業者は注意することが無難です。
また、自身で物件を調査してデメリットに気づくことが重要です。
しかし、全てを調査することは難しいため、購入に際した懸念事項は全て業者に質問し、回答は重要事項説明書や契約書といった書面に残すようにしましょう。
「節税になる」や「将来、年金代わりになる」になるといった勧誘トークの信憑性に注意
不動産投資においてメリットのように聞こえるが実際は信憑性が疑わしい勧誘トークとして、いくつか代表的なものがあります。
例えば、「節税になる」や「将来年金代わりになる」、「サブリースで家賃保証があるから安定した収入が入ってくる」といった勧誘トークです。
これらは購入者の年収や物件の内容によっては事実の時もありますが、そうでない時もあります。
しかし、事実と言い切れない時であってもメリットとして伝えてくる悪質な業者も存在します。
他にもどのような勧誘トークの代表例があって、それぞれなぜ信憑性が疑わしいかについてはこちらの記事をご覧ください。
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収支シミュレーションの精度の低さに注意
特に収益用不動産(不動産投資向けの物件)で注意が必要なものとして、不動産業者が作成した作為的な収支シミュレーションが挙げられます。
業者は売りたいという動機に駆られて、”儲かるように見える”収支シミュレーションを作成することがあります。
しかし、実際に購入するとシミュレーションに反映されていない家賃の下落や費用の出費が生じてしまうことがあります。
作為的なシミュレーションに騙されないようにするためには、不動産投資で生じる費用などシミュレーションに必要な項目を把握し、業者から提出されたシミュレーションを見て抜けている点や数値がおかしい点などないかを確認しましょう。
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対面で圧力をかけてくる
悪質な業者は対面時に圧力をかけて無理やり契約をさせようとすることがあります。
例えば自宅に訪問してきて、契約するまでは帰らないといったケースがあります。
ここまではいかなくとも、「これだけ物件について調査して、このように会う時間まで作っているのだから契約してもらわないと困る」と対面で言ってきて、お客が断りづらい環境を生み出すケースはそれなりに存在します。
対面だと業者に対して強気にいけない人は、対面ではなくメールや電話、Zoomなどのオンライン会議ツールでコミュニケーションを取るとよいでしょう。
デート商法など他にも注意が必要な手口を要チェック
上記で紹介した手口以外にも悪質な手口はたくさんあります。
例えば恋愛感情を利用したデート商法などがあり、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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不動産投資の勧誘を断る方法
ここからは不動産投資の勧誘を断り、自身が迷惑な思いしなくてすむようにする方法を紹介します。
主な方法としては以下の4つがあります。
- 買うつもりがないことや勧誘リストから外してほしいことを伝える
- 迷惑な勧誘は宅建業法に違反していることを伝える
- 業者名をGoogleなどで調べて評判が悪ければ着信拒否する
それぞれについて詳しく説明していきます。
①買うつもりがないことや勧誘リストから外してほしいことを伝える
しつこい勧誘をされないためには物件を買うつもりがないことを伝えましょう。
そうしなければ業者は買ってもらえる可能性が多少はあると判断して、しつこく勧誘してくるでしょう。
買うつもりがないことを伝えても食い下がってくる場合は、そもそも経済的に変えないという嘘をつくのも一つの手です。
例えば資産を持っておらず、借金が沢山あり銀行から融資を受けられないことを伝えると、さすがに不動産業者も諦めるでしょう。
また、今回断っても、数か月後、数年後に再度勧誘してくる可能性もあります。
これも避けたい場合は、勧誘リストから外してもらうように言いましょう。
②迷惑な勧誘は宅建業法に違反していることを伝える
迷惑だと感じる不動産の勧誘はそもそも宅建業法に反している可能性が高いでしょう。
宅建業法で禁止されている代表的な勧誘手法として以下のものがあります。
- 勧誘時に会社名と、勧誘の目的であることを最初に告げない
- 私生活や業務において迷惑な時間帯に勧誘してくる
- 断っても再度勧誘してくる
- 不当に契約締結を急がせる
これらの違反を犯すと宅建業者は免許停止などの処分を受け、事業を継続できないことにもつながります。
宅建の免許を付与している免許権者(都道府県または国土交通大臣)に消費者は違反を直接通報できるため、違反を確認した場合は「免許権者に通報しますね」と伝えれば、悪質な勧誘をやめてくれる可能性が高いです。
ここからはそれぞれの違反の内容について詳しく説明していきます。
勧誘時に会社名と、勧誘の目的であることを最初に告げないことは禁止されている]
勧誘時に会社名と、勧誘の目的であることを最初に告げないことは宅建業法で禁止されてます。
そのため、初めは不動産投資の勧誘とは匂わせずにお客に近づき、話を聞いてもらえる時間を確保してもらってから、ようやく不動産投資の勧誘をするような行為は禁止されてます。
なぜなら、お客からすると「なんだ不動産投資の勧誘じゃないか。初めからそう言えよ。そしたら初めから断って時間を無駄にせず済んだのに」と思うような迷惑行為だからです。
国土交通省もこの宅建業法について以下の通知を出してます。
勧誘の対象となる物件の契約を締結することが勧誘の目的である旨を告げることが必要であり、「投資用マンションの購入について説明をさせて頂きたい」など、具体的な勧誘目的を明確に告げなければならない。例えば、マンションの売買契約の締結を行うことが具体的な勧誘目的であるにもかかわらず、それを明確に告げる前に、「年金や老後の生活設計に関する提案をさせて欲しい」、「将来の資産運用に関して説明をさせて欲しい」などの説明を行うことは、その説明自体が勧誘行為に該当するものであることから、「勧誘に先立つて」、勧誘目的を告げたことにはならない
引用;国土交通省「「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令」の運用について」
私生活や業務の平穏を害する時間(午後9時~午前8時)での勧誘は禁止されている
私生活や業務の平穏を害する時間(午後9時~午前8時)での勧誘は宅建業法で禁止されてます。
不動産業者の中には午後9時以降など多くの人が休息をとっている時間に平気で電話してくる会社があります。
緊急時には仕方がないかと思いますが、この時間に電話してくる業者は「会社員は終業後のこの時間であれば連絡がつきやすいから営業のチャンスだ」と考えて電話してきます。
宅建業法では”迷惑を覚えさせるような時間の電話または訪問による勧誘”を禁止しており、この時間について国土交通省は”特段の理由が無ければ、一般的には午後9時から午前8時までの時間帯”としてます。
宅建業法を無視した営業をするような不動産業者は信用しないようにしましょう。
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過去に断られた人への再勧誘は禁止されている
勧誘を断った人に対して再びしつこく勧誘することは宅建業法で禁止されています。
しかし、一定期間が経つと消費者にも心境の変化が生じる可能性があるため、再度勧誘してもよいことになっています。
下記の通り、一定期間について明確な基準は設けられていないのが実態です。
契約について「勧誘を継続すること」がどの程度の期間にわたって禁止されるかについては、個別の事例ごとに判断することになるが、相手方等もある一定期間が経過することにより、勧誘を受けることの意思が変化することも十分考えられることから、相手方等が将来にわたってすべての勧誘を拒否した場合など、明確な意思の表示があった場合を除き、将来にわたって当該相手方等への勧誘がすべて禁止されるものではないと考えられる。
引用;国土交通省「「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令」の運用について」
数か月、数年たっても勧誘してほしくない場合はその旨を伝えるとよいでしょう。
「今買わないと損しますよ」といった不当に契約締結を急がせる行為は禁止されている
「今買わないと損しますよ」といったセールストークを言われると、ついつい買わなきゃと思ってしまう人は多いでしょう。
しかしこのようにせかされると契約すべきかを冷静に判断する能力が削がれる可能性があるため、宅建業法で不当に契約をせかす行為は禁止されてます。
③業者名をGoogleなどで調べて評判が悪ければ着信拒否する
悪徳な業者は多くの人に悪質な勧誘をかけている可能性が高いため、Googleなどの検索エンジンやTwitterなどのSNSにて業者名で検索すれば評判が見つかるはずです。
その結果、悪い評判ばかりのようでしたらほぼ確実に悪質な業者と判断しても良いでしょう。
そのような業者の電話番号を着信拒否することで、悪質な勧誘を防ぐことができます。
悪徳不動産業者が嫌がる方法
悪質な勧誘をする業者に一泡吹かせてやりたいという人は多いでしょう。
一泡吹かせる方法としては以下のような方法があります。
- 免許取消などの権限を持つ免許行政庁への報告
- 口コミサイトへの投稿
いずれも業者に直接嫌がらせをするといった悪質な行為ではなく、あくまでも同じような被害を受ける人を減らすための方法です。
業者を脅迫するといった直接的な嫌がらせは、むしろ自身が加害者となり法律を犯すリスクがあるため避けましょう。
ここからは上述の2つの方法について詳しく説明していきます。
免許取消などの権限を持つ免許行政庁への報告
既に前の段落で述べた通り、免許取消などの権限を持つ免許行政庁へ報告することが有効です。
各業者の免許行政庁は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで調べることができます。
また、各行政庁の連絡先は下記に掲載されております。
- 行政庁が都道府県の場合:http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000019.html
- 行政庁が国土交通大臣の場合:http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000018.html
口コミサイトへの投稿
口コミサイトに投稿することで、他の消費者も悪質な不動産業者に気づくことができるようになり、業者はビジネスがしづらくなる可能性があります。
その結果、他の消費者が被害に遭うことを防いだり、業者が悪質な手口を辞めることにつながるでしょう。
オープン不動産という不動産業者の口コミサイトでは営業マン個々人の口コミも見ることができるため、ぜひご利用ください。
悪質な勧誘で購入契約をしてしまった人がすべきこと
もし悪質な勧誘で物件を購入してしまった場合は以下のことを順番に取り掛かりましょう。
- 本当に買っても良かった物件かを見直す
- 重要事項説明書や売買契約書の内容を確認し、契約解除・クーリングオフする
- 契約解除・クーリングオフに対して業者が誠実に対応しない場合は消費者ホットラインなど各種相談窓口で相談する
それぞれについて詳しく説明していきます。
本当に買ってよかった物件かを見直す
悪質な勧誘を受けたからと言って必ずしも契約すべきでなかった物件とは言い切れません。
そこで、契約した物件のメリット・デメリットおよび収支シミュレーションを精査し、本当に契約してよかった物件かを見直しましょう。
しかし、自身で精査するスキルや知識が欠けていると思われる方は、契約した業者と利害関係のない専門家に支援を仰ぐとよいでしょう。
※不動産業者の中にはセカンドオピニオンとしての相談サービスを提供している会社があり、そのようなサービスの利用も一つの選択肢です
重要事項説明書や売買契約書の内容を確認し、契約解除・クーリングオフする
契約した物件を見直した結果、契約すべきではなかったと判断した場合は契約解除やクーリングオフを検討しましょう。
しかし、契約解除やクーリングオフについては適用できる条件が限定されています。
適用できるかどうかは重要事項説明書や売買契約書の内容を確認しましょう。
また、これらの書類では適用できないとなっていても、そもそも消費者に不利な契約は無効とされるケースもあります。
そのようなケースに該当すると思われる場合は、ウェブで無効とされるかを調べたり、次に紹介する各種相談窓口へ相談しましょう。
契約解除・クーリングオフに対して業者が誠実に対応しない場合は消費者ホットラインなど各種相談窓口で相談する
契約解除やクーリングオフが適用できるケースでも業者が難癖をつけて断ろうとするケースがあります。
その際は次のような相談窓口に相談するとよいでしょう。
- 法テラス
- 消費者ホットライン
- 一般社団法人日本不動産仲裁機構(ADR)
- 免許行政庁
- 保証協会(全国宅地建物取引業保証協会・不動産保証協会)
それぞれの窓口の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
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【参考】なぜあなたの電話番号などの個人情報が知られてしまっているのか
この記事の最後に、教えてもいないのに悪質な業者になぜ電話番号や名前といった個人情報が知られているかについて説明します。
個人情報販売業者からビジネスマンデータなどの情報を入手している
世の中には個人情報を販売する業者が存在しており、その中でも不動産投資の勧誘でよく利用されるのがビジネスマンデータというものです。
このデータには勤め先や、名前、電話番号といったビジネスマンとしての情報が含まれています。
悪質な業者はこのビジネスマンデータを買って、不動産を買う経済的な余裕がありそうな人に勧誘してくるのです。
社用携帯の電話番号は1つ取得できれば下1~3桁を変えることで同じ会社の他の人に勧誘できる
特定の社用携帯の電話番号を1つ入手できれば、同じ会社の他の従業員の電話番号を手に入れたも同然です。
なぜなら、社用携帯の電話番号は連番で契約している会社が多いためです。
例えば従業員規模が100人の会社では「080-0000-001」から「080-0000-100」までの携帯番号を契約するイメージです。
そのため、それぞれの従業員の名前は分からずとも会社名を業者は把握しているため、「○○会社にお勤めの方だけに、良い物件を紹介しています」といった勧誘の電話してきます。
私も従業員規模が数万人の会社に所属していた際に、このような電話勧誘を何度も受けました。
個人情報の売買は必ずしも違法ではない
個人情報が売買されることは一見違法のように思えますが、必ずしもそうではありません。
個人情報を提供するときに、どのような目的で情報を利用するかが書類などに記載されており、それに基づいた利用方法であれば、売買されても違法とは言えないのです。
個人情報の利用目的についての書類などは読みづらく、つい読まずに同意のサインをしがちですが、知らないところで売買されたりといったことを避けたいのであれば、しっかりと読んだうえで同意するかどうか判断しましょう。