「不動産投資は都会と田舎のどっちが不動産投資に適している?」
「立地はどんなところがよい?」
といった疑問をあなたはお持ちではないでしょうか。
そのような方向けに、この記事では不動産投資の対象地域・立地の選定方法について解説してますので、ぜひご覧ください。
以下の目次から気になる箇所に飛ぶこともできます。
不動産投資で対象地域・立地を決める重要性
不動産投資において投資の対象とする地域や立地を決めることは非常に重要です。
主な理由は以下の2つです。
- 不動産投資の成功において投資する場所が最重要である
- 不動産投資の対象地域・立地を決めることで物件の目利き精度が高まる
それぞれについて詳しく説明していきます。
不動産投資の成功において投資する場所が最重要である
不動産投資の成功において最も重要と言われるものは「物件の場所」です。
なぜなら、不動産投資で成功するためには借主や買主から選ばれる物件である必要があり、彼らが最重視するものが「物件の場所」だからです。
いくら価格が安い物件でも、場所が微妙(利便性が低いなど)であれば借主や買主が見つからない、または貸したい額や売りたい額よりも大幅に低い額でないと貸せない・売れないといったリスクが大きいと不動産投資での成功は難しいです。
不動産投資の対象地域・立地を決めることで物件の目利き精度が高まる
投資の対象地域・立地を決めることが重要な理由の2つ目は「物件の目利き精度が向上する」からです。
物件の目利き精度とは、その物件が購入に値するかを正確に見抜くスキルです。
地域や立地によって物件の相場(賃料・利回り)や、需要の特徴(例:単身向けは需要が小さいが、ファミリー向けは大きい)が異なります。
特定の地域や立地に絞って物件を探したり、その周辺環境について学ぶことで、それぞれの物件が相場よりも割安なのかや、需要があるのかを見抜きやすくなります。
対象地域・立地は投資の目的・リスク許容度に沿って判断する
物件の対象地域や立地を決めることの重要性をここまでに説明したため、ここからは決める際のポイントについて説明してきます。
なお、対象地域・立地は不動産投資の拡大ステージや時代の変化などに応じて、柔軟に変更すべきであるため、あまり身構えずに決めてもよいでしょう。
対象地域・立地を決める際は次の章で紹介する代表的な観点から、各自の投資目的やリスク許容度に応じて決めていきます。
個々人の投資目的やリスク許容度に応じて決めるため、正解は存在しません。
自分なりに納得のいく形で対象地域と立地を決めていきましょう。
対象地域・立地を決めるための観点
対象地域や立地を決める際には主に以下のような観点※で見ていくと、自身の投資目的やリスク許容度に応じた地域・立地が見えてきます。
※観点同士の関係しあっているものもあり、どれか一つの観点だけで見るのではなくすべての観点で見ることをおすすめします
- 賃貸住宅の需要と供給のバランス
- 利回り
- 価格帯
- 流動性
- 将来も見据えた資産価値
- 融資の受けやすさ
- 目の届きやすさ
- 自然災害リスク
- 地域・立地への理解度
- 地域・立地への想い
ここからはそれぞれの観点について詳しく説明していきます。
賃貸住宅の需要と供給のバランス
不動産投資で収入を得るためには、賃貸住宅の需要がある地域・立地である必要があります。
賃貸住宅が存在していても需要がなければ誰も入居せず、収入が得られません。
しかし、需要があるだけでよいというわけでもなく、供給とのバランスなどを留意する必要があります。
需要と供給のバランスの観点では以下4つの観点から見ることをおすすめします。
- 需要の母数となる人口動態が維持・増加傾向にあるか?
- ターゲットとする世帯や属性でのバランスは良好か?(バランス指標は空室率など)
- 需要が突発的に増加する可能性があるか?(地域開発など)
- 需要が特定のものに依存しすぎていないか?(移転の可能性がある企業や工場、大学などに依存してないか)
それぞれについて説明していきます。
需要の母数となる人口動態が維持・増加傾向にあるか?
日本全体としての人口減少が予測されており、人口は賃貸住宅への需要と直結するため、対象となる地域の人口推移を留意する必要があります。
しかし人口が減少するからと言って、全ての地域で減少するわけではなく、人口増加や維持が見込まれている地域もあります。
市区町村単位で何年後にどれくらいの人口数となるかは、「日本の地域別将来推計人口」という資料で予想推移を国立社会保障・人口問題研究所が発表してますのでぜひ参考にするとよいでしょう。
2,30年後など長い将来にわたって低リスクで不動産投資をしたい人は、将来も人口維持・増加が予想される地域で投資するとよいでしょう。
ターゲットとする世帯や属性でのバランスは良好か?(バランス指標は空室率など)
賃貸住宅の需要があると言っても、具体的にどのような人の需要があるかを知る必要があります。
地域・立地によっては単身者向けの需要は小さいものの、ファミリー向けの需要が大きいということがあります。
一般的には都心や駅近では単身者向けの需要が大きく、郊外や駅から距離のある所ではファミリー向けの需要が大きいです。
また、日本全体としては人口は減少傾向でも単身世帯化により、世帯数は増加傾向にあることも覚えておくとよいでしょう。
気になっている地域・立地でのターゲットごとの需要・供給バランスを知りたい際は、HOMES賃貸経営の賃貸需要・空室率のデータを参考にしたり、地域の賃貸不動産仲介会社に問い合わせるとよいでしょう。
需要が突発的に増加する可能性があるか?(地域開発など)
今後需要増加が見込まれる地域を事前に安く買うという戦略を取りたい人などは、需要が突発的に増加する可能性がある地域を探すとよいでしょう。
突発的に需要が増加するケースとしては地域開発などが挙げられます。
どこの地域で需要が増加しそうかという情報の入手手段は様々ありますが、建設会社や地域・都市開発の役所担当者などの知り合いから世間的に知られていない段階で情報を仕入れることが肝になるかと思います。
需要が特定のものに依存しすぎていないか?(移転の可能性がある企業や工場、大学などに依存してないか)
"今”は需要が大きくても、将来急に需要が激減するケースがあります。
それは需要がその地域にある企業や工場、大学に依存しており、これが移転した際に生じます。
地域について調べる際は需要が特定のものに依存していないかを確認しましょう。
確認の方法としては地域の賃貸不動産仲介会社に問い合わせるとよいでしょう。
利回り
「賃貸住宅の需要と供給のバランス」という観点以外にも、「利回り」という観点があります。
前述の通り、地域によって利回りが異なりますので、利回りの高さを重視する人はそのような地域を対象とするとよいでしょう。
一方で利回りが高いということは、利回りが高くなければ売れない≒需要が少ない、ということとも言えますので、この点も考慮しましょう。
地域ごとの利回りについては健美家が出しているレポートが参考になるでしょう。
利回りについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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価格帯
地域や立地によって、これら以外(木造アパートや区分マンションといった物件種別や築年数、駅徒歩など)は同じであっても、価格帯が異なることがあります。
これは「利回り」の観点にも関係しますが、利回りが高いエリアはその分価格帯も高くなります。
個々人の所有資産や属性によって購入できる物件の価格帯は異なりますので、それらも踏まえたうえで地域や立地を決めましょう。
地域ごとの価格帯は利回り同様に健美家が出しているレポートが参考になるでしょう。
流動性
地域や立地に応じて物件の流動性が異なります。
流動性とは売買頻度であり、買おうとした際や売ろうとした際にどのくらい相手が見つかりやすいかを図るものと言えます。
これは物件に対する需要や価格帯に大きく関係しますが、需要が大きく価格帯が小さいほど、買いたい人や資産的に買える人が多くなり、流動性も高くなります。
不動産投資は所有中の賃貸収入ではなく、売却後の最終利益で成否が分かれるため、売却時に売りたい価格で売れないというリスクを抑えたい方は流動性の高い地域・立地を狙うとよいでしょう。
流動性については対象地域での物件売買や仲介を行っている不動産業者に聞くとよいでしょう。
将来も見据えた資産価値
地域や立地に応じて物件の資産価値や、将来における低下リスクが異なります。
人口減少に伴って住宅需要が減ると、インフラ設備が整った都市部に人口が集まっていくと予想されており、都市部の物件は資産価値が下がりにくいと言われています。
家賃収入で儲けるよりも価値低下リスクの小さい物件が欲しい人などは資産価値の落ちにくい地域・立地を選ぶとよいでしょう。
資産価値が落ちるかどうかは未来のことであるため分かりませんが、予想するためのデータとしてはこれまでに紹介した地域ごとの人口動態などが参考となります。
融資の受けやすさ
地域や立地に応じて融資の受けやすさが異なります。
融資の受けやすさを気にすべき理由は2つあります。
- なるべく早く不動産投資の規模拡大を行いたい場合は融資の利用が好ましく、その融資を受けられない地域・立地は投資対象としては適さないため
- 不動産投資は売却時の最終利益が成否を決めますが、次の買い手が融資を受けられない場合は買い手が見つかりづらく、それを解消するために売却価格を引き下げないといけないリスクが生じるため
地域や立地ごとの融資の受けやすさは全国様々ですので、各地の金融機関や不動産業者に確認するとよいでしょう。
目の届きやすさ
物件を購入した後に管理状態が問題ないかを確認しやすいといった目の届きやすさも重要です。
管理会社に清掃を任せていても、手抜きでゴミや汚れがたまっていたという話は珍しくありません。
できれば自身で頻繁に確認できる地域の物件が望ましいですが、そうでない場合でも管理会社に写真で報告してもらうなど工夫して解決することができます。
自然災害リスク
地域や立地によって自然災害リスクが異なります。
自然災害リスクが大きいとその分だけ物件の需要は小さくなり、災害時に費用が生じる可能性も高まりますが、物件価格が安く、利回りが高くなる傾向にあります。
自然災害リスクが小さい場合はその逆となります。
自然災害リスクは各地域・立地のハザードマップを参考にするとよいでしょう。
地域・立地への理解度
上述の通り、物件の目利きをできるようになるためには、その地域や立地のことについて詳しく知っている必要があります。
気になる地域や立地について都度学ぶ形でもよいですが、すでに詳しく知っている地域や立地を投資対象とすることも一案です。
地域・立地への想い
不動産投資の収支としての成否だけでなく、地域貢献など特定の地域・立地への想いで決める人もいます。
例えば生まれ育った町や訪れて感銘を受けた町など、その地域を盛り上げたいという想いから、その地域で不動産投資をするというケースがあります。
単に貸して収入を得る不動産投資に比べて、町おこしや地方再生など事業としての色が強い投資と言えるでしょう。
【よくある質問】都心部と地方・郊外・田舎のどちらがよい?
よくある質問として「都心部と、そうでない地方・郊外・田舎はどちらが投資に適しているか?」というものがあります。
回答の結論としては上述の通り、個々人の投資目的やリスク許容度に応じてどちらが適しているかは異なります。絶対的な正解は存在しません。
一般的に言えることとしては、都心部は物件への需要が大きく、安定した賃料収入が得られ、資産価値も落ちにくい一方で、価格が高く、利回りが低いです。
そして地方・郊外・田舎ではその逆となります。
そのため、長期的な安定性を重視する方は都心部を、短期間での収益性を重視する方は地方・郊外・田舎が適しているでしょう。
しかし、融資の受けやすさや目の届きやすさを考慮すると、一概にどちらが適しているとは言えません。
あくまでもご自身の投資目的やリスク許容度に応じて決めましょう。
投資地域・立地が決まったら物件の相場を把握しよう
投資地域・立地を決めた後は物件の目利きができるように相場を把握しましょう。
相場の把握の仕方については以下の記事をご覧ください。
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